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夏のダイエットは食事誘導性熱産生が鍵

  • 佐々木 巌
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

実は夏は太りやすい


夏は大汗をかくから、体重は落ちやすい(脂肪は燃えやすい)と思うのは誤り。汗をかいて体重が減るのは脱水症状で、身体の脂肪が減っているわけではありません。この脱水とは逆の現象で、浮腫(むくみ)によって夏太りする人がいます。脂肪ではなく水分が蓄積するのがむくみですが、冷房による冷えや、冷たいものの摂りすぎで血流が滞り、下半身を中心にむくみが生じます。


さて、多くの人が夏太りする理由は基礎代謝の低下が原因です。心臓や肺などの内臓器官は、24時間休みなく動いてエネルギーを消費しており、この基礎代謝のおかげで私たちの体の体温は一定に保たれています。ところが、夏は外気温が高いため、身体は体温の上昇を防ぐために基礎代謝を落とします。冬は逆に外気温が低いので基礎代謝が上がります。ですから同じカロリーベースで考えると、夏は他の季節より脂肪が蓄積しやすくなります。


夏のダイエットは攻めより守りを重視する、食事誘導性熱産生とは


一日の消費カロリーの60%を占める基礎代謝が下がり、また暑さで運動もできないので、生活活動代謝も伸び悩む夏場のダイエットのポイントは食事にあります。つまり攻め(運動)より守り(食事)を固めましょう。皆さんは食事のあとで体がほてったり額に汗をかいたりした経験はありませんか。これは食事誘導性熱産生という生理現象で、食後4-5時間続き、摂取カロリーの5-10%に及びます。食事誘導性熱産生は、基礎代謝、生活活動代謝と並んで一日の消費カロリーに大きく寄与します。


食事誘導性熱産生は以前、食事をとったあと消化吸収を担う消化管から発せられる代謝熱と考えられていましたが、現在では自律神経の働きによるものであることがわかっています。食事の摂取により副交感神経(迷走神経)が刺激される、つまり消化作用が引き金となり、続いて交感神経が活性化され、褐色脂肪組織の脂肪を燃やして熱産生が始まります。この副交感神経から交感神経への切り替えがスムーズにいかない状態が自律神経の乱れであり、夏場はこの自律神経の切り替えが乱れがちになります。


エアコンによって冷え切った室内と猛暑の屋外の行き来によって、体温調節に追われた自律神経は疲弊し機能が低下します。また暑さで冷たい飲食が増えることが交感神経のスムースな活動を妨げます。夏場はそうめんのような柔らかい食べ物の摂取が増えますが、実はよく噛むことが、脳のヒスタミン神経系を介して交感神経を刺激するのです。


夏場の食事の注意


ですから夏場こそ体を冷やしすぎないように、適宜スープやみそ汁など温かいものをとりましょう。また食事誘導性熱産生は、たんぱく質、糖質、脂肪の順に熱産生が高いので、肉や魚などよく噛んで食べるタンパク質の多い食事をとりましょう。噛まずに流し込めるような柔らかいもの、流動食の取り過ぎには注意してください。


自律神経の乱れは胃腸の働きを低下させ、食事から摂った栄養を正しく代謝・吸収できなくなり、体脂肪の増加や夏バテを引き起こします。そうならないように、冷たい麺類だけでなく、卵、納豆、豚肉、豆腐などのタンパク質を併せてたべることを心がけて、とくに朝いちばんにしっかり栄養をとり、食事誘導性熱産生を介して交感神経をしっかりと目覚めさせることが、夏の代謝低下を防ぐカギになります。

 
 

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